第四中生徒が職場体験~本田ウリについて取材~
幻の江戸東京野菜「本田ウリ」の今
メロンを思わせるような風味を持つ「本田ウリ」。マスクメロンと祖先が同じで、メロンのような香りが特徴だ。江戸東京野菜の一つであり、江戸時代には将軍のデザートとしても出されていたというが、現在は生産農家が減少している。その数少ない生産農家の一人である、足立区興野の内田さんに話を聞いた。
内田さんは本田ウリの栽培について、「夏に収穫するので非常に手間がかかる」と話した。そこで、なぜ作り続けているのかを尋ねてみると、「自分が好きなのもあるけど、やっぱりわざわざ買いに来てくれる人がいるからと、この本田ウリを絶やさないようにするという使命感からかな」と、笑顔で答えてくれた。
今でこそ、テレビや新聞などに取り上げられ、遠方から買いに来る人もいるという本田ウリだが、今でもまだ、あまり理解してもらえていないこともあるそうだ。実はメロンよりも甘さが控え目で、以前お祭りでカットしたものを配ったときに、食べた多くの人から「メロンに比べてあんまり甘くないね」と言われてしまったそうだ。しまいにはチョコバナナのチョコをかけて食べる人まで現れ、本田ウリの知名度の低さを痛感した場面だったという。
内田さんは農薬を使わずに、様々な工夫を凝らして本田ウリを育てている。「やっぱり身体に悪いものはいやじゃない」。このこだわりこそ、江戸東京野菜の本田ウリがここまで残ってきた理由であろう。
(第四中2年・宮下翔)
絶滅していたと思われていたウリは存在した!
「本田ウリ」は少し前までは絶滅していたと思われていた瓜の一種だ。この本田ウリを栽培する内田宏之(63)・和子さん(61)のお宅に取材に行った。
本田ウリは緑の縞模様が特徴で「銀まくわ」と呼ばれている。とてもメロンに似た匂いがするが、味はメロンほどは甘くはない。
内田さんに「どれくらい出荷するのか」と質問すると、6割ほどが出荷されないで廃棄するという。なぜかというと、農薬には人間にも悪い成分がはいっているので、とれた野菜に農薬が付くことが気になるので使用しないからだそうだ。しかし農薬を使わないとウリハムシという害虫がわいたり、うどんこ病という病気にかかってしまうので育てるのは大変と話す。
この大変な作業が実って消費者を満足させるのが、内田さんのやりがいだ。何より、この大変な手間がおいしい本田ウリを作る大切なことだ。
(第四中2年・近藤義久)
事件です! ~幻のウリは生きていた~
「本田ウリ」は、メロンによく似た味がする。このウリは、一昔前までは絶滅していると思われていた。しかし、このウリを、足立区興野に住む内田宏之さん(63)・内田和子さん(61)が育てていた。
内田さんの畑では昔から本田ウリを生産していた。しかし、「プリンスメロン」が広まると作るのをやめたという。ところが今から約40年前に本田ウリの栽培を再開することになった。近所の農家の人に種をもらったことがきっかけだという。この頃世間では、本田ウリが絶滅したと思われていた。内田さんは、世間で本田ウリが絶滅したと考えられていることを知らなかったため、ある新聞社からそのことを聞くと、とても驚いたそうだ。
内田さんはもともと園芸農業をしていたため、他にも、千住葱、おくら、じゃがいも、モロヘイヤ、枝豆などといった様々な種類の野菜も育てている。
内田さんに仕事のやりがいを聞いてみると「やっぱり、好きだからかな」と答えてくれた。また何よりメロンとウリは味が似ても似つかないところがあるので、そこを承知したうえで買ってくれる消費者がいてくれるというのは、とても嬉しいと言う。ウリを使ったおいしいレシピを聞くと「切っておしんこにしたり、上にパラパラと塩をふるのもいい」と言う。
幻のウリを育て続けた内田夫妻は、今日も畑で本田ウリを育てている。
(第四中2年・中尾真聡)